のんきな男性

自分は病気にならない!そんな人ほど大病をこじらせる

人間て、不思議ですよね。自分だって「そうなる」可能性は理解している。でも実際に「そうなる」とは露程も思ってない。

特に健康面はそういった思考が顕著です。重病なほど。

まあ、私の場合はインフルエンザなんですが。

どうせただの風邪

数年前のある冬の午後、私は愛犬の散歩をしていました。冬で天候は曇りでしたがそれほど寒くはなく、冬にしてはすごしやすい気温だったと思います。

いつもの散歩コースを歩いていると、不意に悪寒に襲われ「あ、なんかヤバイ」と風邪の予感がありました。予感は的中、夜から風邪の症状が・・・。

ただ、その時点では普通の風邪だと思い、次の日(土曜日)に病院へ行くことはしませんでした。

高熱

しかし、症状は次第に悪化し、熱もどんどん上がっていきます。常備してあった風邪薬があまり効かないため、新たに薬を購入して服用したところ、熱は平熱近くまで下がったのですが、体調はまったく改善しません。

流石に変だと思い始めましたが、それでも「いつもより重い風邪だな」という程度でした。

月曜の朝になっても体調は戻らず、近所のクリニックへ。

【検査の結果】思い込みは外れ、インフルエンザと判明

あっさりとインフルエンザ判定(鼻に綿棒を入れたかな?)。正直「まさか」という感じでした。

インフルエンザと診断されてショックでも受けたのか、むしろ状態は悪くなり、ベッドで天井がぐるぐる回る日々を数日。

病気で寝込む男性

食欲などまったくなく、それでも用意してくれたスポーツドリンクを思い出したように飲む。トイレ以外はベッドで横になり、時計なぞ見る気力はないものの、カーテンから滲み出てくる日の光で、朝昼晩を判断していました。

体調がすこぶる悪いせいかあまり退屈とは感じず、むしろ気が付いたら夜だった、という状況でしたね。

さて、数日寝込んで少しずつ回復し、食欲も多少戻って来ました。といってもまだまだ万全ではありません。家族から昼食の希望を聞かれ、答えたのが「塩ラーメン」。

ラーメンが大好きな私。一番あっさりな塩ラーメンなら無理なく、おいしく食べられそうとリクエストしました。

結果は、おいしくありませんでした!インフルエンザの影響かどうかは分かりませんが、味覚が一時的におかしくなっていました。

その後数日で味覚も体調も元に戻りましたが、”自分には決して不幸な事は起きないだろう”という思い込みがより自分を苦しめる結果になる、という事を今回の件で学びました。それがインフルエンザだったのが不幸中の幸いです。

突然脛(すね)に出来た「しこり」と「病院からの電話」

立ち仕事をして数年。いつもむくんだ脚を引きずりながらバタバタとですが健康に働いていました。しかし、ある日を境にただむくんでいると思っていた脚に異常が起きました。

最初はいつもと変わらないむくみだったのが、突然ボンレスハムのようにパンパンに膨れ上がり、しまいには数日も経つと脛(すね)に赤黒い2、3センチほどの大きさのしこりのようなものが無数に出現。試しに押してみると、なんとも言えない微妙な圧痛が走ります。

それらのしこりは左右対称に脛に出現し、後々、正座も出来ないほどの圧痛と熱感を持つようになりました。その頃になると今度は立ちくらみや眩暈、そして毎晩38度を越える高熱を出すようになるのですが、一晩休むと熱は下がりました。

脚は変わらず浮腫んで痛いのですが「熱がないから」とまた出勤しては夜に高熱を出すの繰り返しがひと月。もう限界だ、と近所の内科に罹りました。

最初の診断は「結節性紅斑(けっせつせいこうはん)」

検査

その病院では「結節性紅斑」という診断をいただきました。ウイルスに感染して自身の免疫で抑えきれなかったウイルスをしこりにしてしまうアレルギーのような症状で、「安静にしていればそのうち治る」ということで1週間ほど休職するよう指示を受けました。

それと同時に、念のために、と血液検査を受け、1週間後確かに症状は一気に回復しました。ところが、ある日突然お世話になったその内科医院から電話がありました。「お話したいことがあるので、来ていただけますか?」と。

血液検査で膠原(こうげん)病の疑いが・・・

「電話が来るってことは重たい何かなの?」

そんな不安を抱きながら病院へ向かうと、不安は的中しました。

「血液検査の結果、膠原病の疑いがあります。大学病院に紹介状を書くので、精密検査を受けてください」

ということでした。

当時20代半ばだったにも関わらず「膠原病ってなに?それ重病なの?」というほど、膠原病の知識はゼロ。慌ててインターネットで調べたところ、難病とされる疾患の総称だとそこで初めて知りました。

自己免疫疾患と呼ばれるものが多く、ウイルスなどに感染すると免疫が攻撃すべき対象をウイルスと「自分」に設定してしまうというもの。「なんておバカな免疫なの!!」と自分の免疫を呪いながら大学病院へ。

そこでは更に怖い診断が待っていました。

「悪性リンパ腫」の疑いも・・・

罹ったのは膠原病内科と皮膚科の2つ。それぞれの主治医から説明を受けたのですが、事件は皮膚科で起きました。脛以外にしこりはあるか、ということで思いつく限りしこりのある箇所を伝えていくと、「急いで皮膚生検しましょう。リンパに沿ってしこりが出来ているので悪性リンパ腫の可能性もある」と言われ、その病名は知ってる、と頭の中がパニックになりました。

その日のうちに局部麻酔で生検され、脛のしこりと、首の下のしこり、そして鼠蹊部(ビキニライン)のしこりを切開し、病理にまわされました。検査結果は3週間後。

スマホに着信

まぁ大丈夫でしょう、と前向きに考えて2週間が経った頃、職場宛に病院から電話がかかってきました。デジャブ。病院から電話=ヤバいやつ、という認識でいた私は電話に出るのが怖かったです。

案の定「電話ではお伝えが出来ない」と言われ、翌日病院へ。結果「悪性リンパ腫」と診断されました。そこからもうありとあらゆる検査が猛スピード進む進む。生存率の説明をされ、「膠原病は?どこ行ったの?」という置いてけぼり感。

ところが先生はとあることが気になる様子でした。それは私が悪性リンパ腫にしては異様に元気なこと。「化学療法を始める前にもう一度精査したい」というので、治療開始は1週間延ばされることになりました。そして先生の判断は正しかったです。悪性リンパ腫は取り下げられました。リンパに出来る腫瘍は大抵は悪性とのことですが、時に良性の腫瘍が出来ることもあるのだそう。私の場合は後者で、病理上悪性の見た目をした良性腫瘍でした。ほっと一安心したと同時に、先生方の判断力に心から感謝しました。

それから数年。脛のしこりは「結節性紅斑」として診断され、膠原病はどの疾患に値するのか分からず、「予備軍」として4ヶ月に1度のペースで定期的に検査を受けています。

ただのしこりだと思っていたものにここまで怖い思いをさせられるとは思ってもいませんでした。そして「病院からの電話」がいかに怖いかを身を持って体験しました。ただそんな中でも信頼できる先生方に出会えたことには感謝しています。